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新改訳聖新書 ルカ15:12-24

ある人に息子がふたりあった。

弟が父に、

『おとうさん。私に財産の分け前を下さい。』と言った。

それで父は、身代をふたりに分けてやった。

それから、幾日もたたぬうちに、

弟は、何もかもまとめて遠い国に旅立った。

そして、そこで放蕩して湯水のように財産を使ってしまった。

何もかも使い果たしたあとで、

その国に大ききんが起こり、彼は食べるにも困り始めた。

それで、その国のある人のもとに身を寄せたところ、

その人は彼を畑にやって、豚の世話をさせた。

彼は豚の食べるいなご豆で腹を満たしたいほどであったが、

だれひとり彼に与えようとはしなかった。

しかし、我に返ったとき彼は、こう言った。

『父のところには、

パンのあり余っている雇い人が大ぜいいるではないか。

それなのに、私はここで、飢え死にしそうだ。

立って、父のところに行って、こう言おう。

「おとうさん。私は天に対して罪を犯し、

またあなたの前に罪を犯しました。

もう私は、あなたの子と呼ばれる資格はありません。

雇い人のひとりにしてください。』

こうして彼は立ち上がって、

自分の父のもとに行った。

ところが、まだ家までは遠かったのに、

父親は彼を見つけ、かわいそうに思い、

走り寄って彼を抱き、口づけした。

息子は言った。『おとうさん。

私は天に対して罪を犯し、またあなたの前に罪を犯しました。

もう私は、あなたの子と呼ばれる資格はありません。』

ところ が父親は、しもべたちに言った。

『急いで一番良い着物を持って来て、この子に着せなさい。

それから、手に指輪をはめさせ、

足にくつをはかせなさい。

そして肥えた子牛を引いて来てほふりなさい。

食べて祝おうではないか。

この息子は、死んでいたのが生き返り、

いなくなっていたのが見つかったのだから。』

そして彼らは祝宴を始めた。

新改訳聖新書 ルカ15:12-24